計算ツールのしくみ
どのタブも手順は同じです。入力した寸法をメートルに直し、掛け合わせて体積(m³、現場では「立米」)を出し、ロス分を足してから、袋数を1袋単位で切り上げます。厚さは初期設定ではセンチで入力しますが、どの欄もmm・cm・mで入力できます。
| 施工箇所 | 計算式(メートル) |
|---|---|
| 土間・布基礎・壁 | 長さ × 幅(または高さ) × 厚さ |
| 円形スラブ・柱 | π × (直径 ÷ 2)² × 厚さ(または高さ) |
| 支柱の穴 | (π × (穴の直径 ÷ 2)² − 支柱の太さ²) × 深さ × 穴の数 |
| 階段 | 蹴上げ × 踏面 × 幅 × n(n + 1) ÷ 2、踊り場があれば加算 |
多くの計算ツールが見落とす点が2つあります。支柱の穴では支柱の体積を差し引きます。直径25 cmの穴に9 cm角の支柱を立てると、穴の約17%を支柱が占めます。階段は直方体を段々に積み重ねた形で計算するので、中まで詰まった打ち込み階段の量になります。
体積(m³) = 長さ(m) × 幅(m) × 厚さ(cm) ÷ 100
計算例:4 m × 3 m、厚さ12 cmの土間
4 × 3 mのテラス土間、厚さ12 cm。面積は12 m²(1坪 ≈ 3.3 m²なので約3.6坪)。4 × 3 × 0.12 = 1.44 m³。ロス10%を足して1.58 m³です。25 kg袋のインスタントコンクリートなら136袋で、運ぶ重さは3.4トン。20 kg袋なら170袋です。セメントから練るなら、1.58 m³ × 350 kg = 553 kgで、25 kg袋のセメントが23袋、砂が約630 L、砂利が約1,260 L、水が約280 Lです。
136袋を1袋700円で買うと約95,000円、しかも一輪車で3.4トンを運び、練り船かミキサーで何十回も練ることになります。同じ量を生コンで頼めば、材料費は約3〜4万円に小口配送料が加わる程度です。この規模は生コンを検討すべきラインです。
袋あたりの出来上がり量と配合
インスタントコンクリート(ドライコンクリート)は、セメント・砂・砂利があらかじめ混ぜてあり、水を加えるだけで使えます。ただし出来上がる量は、袋の重さを比重で割った値よりかなり少なくなります。水と締め固めで隙間が埋まるためです。目安は打ち上がり1 m³あたり乾燥材料約2,150 kgです。
| 製品 | 袋 | 出来上がり量 | 1 m³あたりの袋数 |
|---|---|---|---|
| インスタントコンクリート(家庭化学工業、マツモト産業、ホームセンターのPB品) | 25 kg | 約11.5 L | 86〜87 |
| インスタントコンクリート | 20 kg | 約9.5 L | 107 |
| 普通ポルトランドセメント(1:2:3で練る場合) | 25 kg | 350 kg/m³ | 14 |
出典:各メーカーの製品資料、2026年10月に確認。袋に書かれた水量(25 kgで約2.5〜3 L)を守ってください。水を増やしても量は増えず、強度が落ちるだけです。
セメント・砂・砂利から自分で練る
土間、基礎、柱に使う一般的なコンクリート(セメント350 kg/m³)なら、容積比「セメント1:砂2:砂利3」、水は約0.5が覚えやすい配合です。1 m³あたりセメント350 kg(25 kg袋で14袋)、砂400 L(約680 kg)、砂利(砕石5〜20 mm)800 L(約1,175 kg)、水175 Lです。140 Lのミキサーなら1回で練り上がるのは約90 L。セメント25 kg袋1つを基準にすると、砂約29 L、砂利約57 L、水約12 Lで、約70 Lのコンクリートになります。砂が湿っていれば水を減らしてください。
厚さと強度
庭のアプローチや物置の土間は厚さ10 cm、テラスは12 cmが標準です。普通車の駐車場は12〜15 cmにワイヤーメッシュ(φ6-150、線径6 mm・150 mm目)を入れます。ワンボックス車やトラックが乗るなら15 cm。10 cmを切る土間は、凍結や配送トラック1台で割れます。
| 用途 | 厚さ | 生コンの呼び強度(JIS A 5308) |
|---|---|---|
| アプローチ、物置の土間 | 10 cm | 18〜21 |
| テラス、住宅の土間コンクリート | 12 cm | 21 |
| 駐車場 | 12〜15 cm、ワイヤーメッシュ入り | 21〜24 |
| 基礎(布基礎・独立基礎) | 設計による | 24前後、根入れは凍結深度より深く |
生コンの注文は「21-18-20」のように呼びます。呼び強度21 N/mm²、スランプ18 cm、粗骨材の最大寸法20 mmという意味です。インスタントコンクリートは28日で18〜21 N/mm²程度を想定した製品が多く、庭の土間には十分です。問題になるのは強度より、厚さ、下地の砕石、養生です。ワイヤーメッシュはスペーサーで厚さの中央に浮かせます。底に置いたままでは意味がありません。基礎は建築基準法と自治体の規則に従い、凍結深度より深く根入れします。北海道や東北、内陸の寒冷地では自治体ごとに数十cmから1 m前後が定められています。
2026年のコンクリート価格
価格はセメントと軽油、そして地域の生コン協同組合の価格で決まります。下の数字は2026年10月に生コン工場とホームセンターで確認した目安の幅です。必ず2社以上から見積もりを取ってください。都市部と離島は高く、地方は安い傾向です。
| 項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 生コン 21-18-20、配達込み | 18,000〜26,000円/m³(税抜) | 地域の協同組合価格で大きく変わる |
| 小口配送料(小口割増) | 5,000〜15,000円 | 工場の最低量(多くは1〜3 m³)未満のとき |
| コンクリートポンプ車 | 40,000〜80,000円/回 | ミキサー車が型枠に近づけない場合のみ |
| インスタントコンクリート 20〜25 kg | 500〜900円/袋(税込) | ホームセンター価格。セメント25 kgもほぼ同じ価格帯 |
| 業者施工の土間コンクリート | 8,000〜15,000円/m² | 掘削、砕石、型枠、メッシュ、打設、金ゴテ仕上げ込み |
袋か生コンかの分かれ目:1 m³を袋で作ると、25 kg袋86袋 × 約700円で約60,000円、運ぶ重さは2.15トン、作業は丸一日です。同じ1 m³を生コンで頼むと18,000〜26,000円に小口配送料を足して23,000〜41,000円で、練る手間もありません。0.3 m³以下なら袋、0.5 m³を超えたら生コンが安くて品質も安定します。道が狭い住宅地では、小型のミキサー車が入れるか事前に工場へ確認してください。
練り方・打設・養生
ミキサーには先に水を入れ、次に砂利、セメント、最後に砂を入れて3分ほど回します。スコップで切った断面が形を保ちながらゆっくり崩れる硬さが目安です。いちばん多い失敗は水の入れすぎで、1袋に1 L余分なだけで強度が約25%落ち、表面が粉をふきます。
練ってから1時間以内に打ち込み、トンボや定規で均し、表面のブリーディング水が引いてから金ゴテで仕上げます。その後は7日間、湿った状態を保ちます。ブルーシート、濡らした養生マット、散水のどれかで乾燥を防いでください。人が歩けるのは24〜48時間後、車を乗せるのは7日後から、設計上の強度が出るのは28日後です。
気温が5 °Cを下回る日は保温なしで打たないでください。固まる前に凍ります。30 °Cを超える真夏は早朝に打ち、下地の砕石を湿らせ、日差しと風から表面を守ります。ひび割れ誘発目地は3〜4 mごと、1区画10〜15 m²程度を目安に入れると、割れが目地に集まります。
よくある質問
1 m³のコンクリートにインスタントコンクリートは何袋必要ですか?
25 kg袋で約86袋(1袋で約11.5 L)、20 kg袋で約107袋です。材料の総重量は約2.15トンになります。
10 m²の土間を厚さ10 cmで打つと何m³ですか?
10 × 0.1 = 1.0 m³、ロス10%込みで1.1 m³です。25 kg袋なら95袋になるので、生コンを頼んだほうが安く済みます。
コンクリート1 m³の重さは?
普通コンクリートで約2.3〜2.4トンです。この計算ツールは2,400 kg/m³で重量を出しています。
自分で練るときの配合は?
容積比でセメント1:砂2:砂利3、水0.5です。セメント25 kg1袋に砂約29 L、砂利約57 L、水約12 Lで、約70 Lのコンクリートになります。
駐車場の土間コンクリートは何cm必要ですか?
普通車なら12〜15 cmにワイヤーメッシュφ6-150を入れます。車1台分の約15 m²(約4.5坪)を12 cmで打つと1.8 m³、ロス込みで約2 m³です。
フェンス支柱1本にどれくらい必要ですか?
直径25 cm・深さ60 cmの穴に9 cm角の支柱なら約0.025 m³で、ロス込みで25 kg袋3袋です。寒冷地では凍結深度より深く掘ってください。
生コンは少量でも頼めますか?
多くの工場は0.5 m³前後から受けますが、最低量(1〜3 m³が多い)未満は小口配送料5,000〜15,000円がかかります。狭い道なら小型ミキサー車の手配が必要か確認してください。
打設後、いつから歩いたり車を乗せたりできますか?
歩くのは24〜48時間後、車は7日後、設計強度は28日後です。最初の7日間は散水やシートで湿った状態を保ってください。
この計算ツールの作り方
計算式は単純な幾何学の式で、計算のたびに結果ボードに表示されます。袋あたりの出来上がり量はメーカーの製品資料から取り、そこから練り上がりコンクリート1 m³あたり乾燥材料2,150 kgという比率を導いています。比重は普通コンクリートの一般的な値である2,400 kg/m³を使っています。価格は表示した月に生コン工場やホームセンターの価格表から集めた幅で、見積もりではありません。
参考資料
計画用の概算です。袋に記載された出来上がり量と、地域の建築規制を必ず確認してください。